ずっと親の顔色をうかがって生きてきた。
それがあまりにも当たり前すぎて、疑問に思うことすらなかった。
結婚してからも、実家の両親・姉・私の4人で年に1回の海外旅行。
数年に1度は両親・姉家族・私の家族、3家族で国内旅行にも出かけた。
表面的には、仲の良い家族だったと思う。
“瞬間湯沸かし器の父”、“ヒステリックな母”。
それでも「どこの家もこんなもの」と思っていたし、これが普通だと思っていた。
そんな日常が崩れたのは、母が姉や私だけでなく、孫である甥までも攻撃しようとしたと知ったときだった。
猛烈に怒った姉から経緯を聞かされ、驚きとともに深い悲しみが湧いた。
私たち姉妹は、日々の理不尽な言葉や態度に慣れすぎていて、いちいち報告し合うこともなかった。
でも、孫は違う。
孫には「理想の祖父母」でいてほしかった。
甥の次は、私の子どもかもしれないと思うと、恐怖を感じた。
しばらく距離を置きたいと伝えた。
その返答は、驚くほど一方的な非難の言葉だった。
- 「親を敬う心はないの?」
- 「母親を傷つけたって思わないの?」
- 「自分のことしか考えてないよね」
- 「結婚して、子育てして、それで親に説教するわけ?」
- 「ほんと何様?」
どれだけ穏やかに気を遣って話しても、
母にとって私は“親を傷つける悪い子”でしかなかった。
「私はあなたを育ててきたのに、恩を仇で返すんだね」
謝罪も反省もなく、ただこちらを責め立てて終わった。
父にも、同じように事情を説明した。
返ってきた言葉は、たった一言だった。
「以後、連絡を絶つ」
話し合いではなかった。切り捨てだった。
親としてというよりも、人としての対話すらなかった。
このやりとりで、はっきりした。
この人たちは、私の気持ちに向き合う気がない。
何かを変えようという意思もない。
「黙って従う子供」以外は、受け入れるつもりがない。
だから私は決めた。
ここからは、自分を守るための日々を生きていく。